天皇陛下のご著書『テムズとともに』を拝読。
陛下がオックスフォード大学に留学されたときの
体験記で、30年のときを経て復刊された。
書店でも平積みになっているところが
まだ多くあると思う。
緻密に、多方面へ配慮しつつも
率直に感じたことなどが綴られていて、
読みながらこちらも勝手に英国への親しみがわいてくる。
日本にはないコレッジ制度の解説などは
その成り立ちから丁寧に綴られていて、
事実をまず予断なく記そうとする姿勢は
なんとなく上皇陛下の実直なお姿と重なる。
一方で、寮の食事にゆで野菜が大量に出て
うんざりしたり、
洗濯物を詰め込み過ぎて洗濯機から泡が噴出、
ランドリーが洪水になった失敗談を披露したり、
街で日本人に出くわし「うっそー」と目の前で
言われて、どう返していいか戸惑ったり、
思わずクスリと笑ってしまうエピソードも
散りばめられている。
人間味を感じさせるユーモラスな点は、
愛子さまが受け継いでいらっしゃるのかも。
(↑この点は、30年経ったからこその楽しみ方ですね)
ただ、その時々で、こうした経験は二度とない、
最初で最後だというようなことも記していらして、
ご自身が本当の意味で自由に過ごせるのは
この留学期間だけだということも
十分にわかっていらした、
そのことにハッとさせられる。
かつて、上皇陛下が学習院高等科の英語の授業で
将来何になりたいかと問われたとき、
「I shall be the Emperor」と答えたエピソードは
よく知られている。
きっと天皇陛下もそのような心持ちで
幼少期から過ごしてこられたのだろう。
一人の国民として、ただただ有り難い。
同時に、天皇皇后両陛下のお子様として
誕生された愛子さまは、それすらも明確ではない
(ただ女に生まれたというだけで)。
何と苛酷なことだろう。
一体いつまで放置すれば気が済むのか。
ほんの少しの想像力があれば、すぐわかるだろうに。
保身のためのエセ尊皇心しか持ち合わせていない
男系固執派に理解せよなど、どだい無理な話か。
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